数年前よりTVや雑誌やネット、YouTubeなどで紹介されるようになったテニスボールマッサージ。
テニスボールマッサージとはテニスボールを使って、体をほぐすセルフケアの方法です。
テニスボールが比較的簡単に手に入るものであることもあって、テニスボールマッサージは手軽に簡単に行えるセルフケアとして人気をはくしていますね。特にコロナ禍になりセルフケア需要が高まる中、試された方も多いのではないでしょうか。
テニスボールといった道具を使えば手の届かない場所のツボ押しなんかも簡単に行えそうですが、その反面道具を使った体のセルフケアには危険性が伴います。
その危険性とはどういった危険性なのかをこれまでの私の経験をふまえてお伝えしたいと思います。
テニスボールマッサージで身体を傷めた実際の事例
ここでご紹介するのは、私が実際に出会ったテニスボールマッサージによって体を傷めた事例の一部です。
太ももやお尻の筋肉の下にテニスボールを入れて、ゴロゴロ転がして神経を傷つけてしまい臀部から太もものしびれが出てきてしまった。
ツボと思って思いっきりテニスボールを肩甲骨の間に押し当てた結果、肋間神経痛になった。
寝違えたように首が回らなくなった。
腰の筋肉をほぐそうとテニスボールを押し当てた結果、肋骨の骨折をしてしまった。
どうして危険なのか
上記の事例のように、体が楽になるどころか重症化してしまうことがあります。
道具を使って体をほぐしたいと感じるのは
手が届かない部位や手では届かない深さのところをほぐしたいからではないでしょうか。
しかし傷つけたくない神経や血管や骨は、意外と表面にあります。
深くほぐしたいと思えば思うほど、神経や血管、骨を傷つけるリスクが増してしまうのです。
危険性を伴う行い方
そもそも押すというケア方法には危険性が伴います。
整体といった手技療法の専門家でも押すという手技をするには、押す部位、押し方、押し角度、押す強さに細心の注意を払っています。そうしないと骨格をずらしてしまったり、神経や組織を傷つけてしまう可能性があるからです。
それがセルフケアとなると専門的な体の知識がない上に、自分自身の体感覚頼りになってしまいます。するとどうしても気持ち良さや、そこそこそこといった痛気持ちいい感覚、そしてツボを押されているような感覚を求めてしまいます。その結果強く押しすぎてしまったり、押してはいけない骨や神経や血管の上を押してしまったりしてしまいます。
つまり押していい部位と押してはいけない部位があり、押す強さや向きを間違うと体が楽になるどころが自分で自分を傷めつけることになってしまうのです。
また筋肉をはじめとする軟部組織(骨や神経、血管、内臓以外の組織)は強く押す反発するようにより硬くなる性質があります。直後はほぐれた気になっていても、数分後には押す前よりももっと硬くなっているかもしれません。
自分が痛気持ちいいと感じるところが、本当に体を良くするポイントとも限らないし、その痛い効いてる感じの感覚が果たして押し続けてもよい感覚なのか全てが自己判断になるのです。
まとめ
テニスボールマッサージは身体を傷めてしまう危険性があり、どんなに気をつけて注意してもその危険性を防ぎきることはできません。したがって私はテニスボールマッサージをお勧めしません。
手当や手入れという言葉があるように、やはり体のケアは手技に限ります。